塩ビシート防水の工法
接着工法 シート厚みは1.5mm〜2mmまで種類があります
接着剤を用いて、下地に接着させる工法です
塩ビシート防水のシートは、塩化ビニル樹脂系シート(JIS A 6008-2006)合成高分子系ルーフィングシートを使用します
特徴は
1 塩化ビニル樹脂系シート相互の接合は、熱溶着及び溶剤溶着が可能である
2 自己消炎性がある
3 耐摩耗性に優れている
4 低温時の施工に関しては、塩化ビニル樹脂系シートが硬くなり作業性が悪くなる時がある
機械固定工法 シート厚みは1.5mm〜2mmまで種類があります
デイスクを用いて、シートを熱融着で固定する工法で、下地の影響を受けずに施工できる工法です。
雨上がりの後でもすぐに作業に取り掛かることが可能で屋上や屋根の改修工事などの現場で工期短縮が可能です
塩ビシート防水のメリット
😊メンテナンスが不要
😊対紫外線や熱、オゾンなどに対しても優れています
😊見た目が統一されていて綺麗
塩ビシート防水のデメリット
😢耐久性に優れた塩ビシートにも寿命はあります
(屋外にある洗濯バサミのように経年劣化がみられます)但し10年後に塗装すれば、さらに寿命が長持ちします
塩ビシート防水の密着工法の施工手順
1 下地の確認後、ケレン清掃
2 接着剤の塗布 下地とシート両面にムラなく塗布する
3 墨出し 先に塗布した接着剤のオープンタイムを確認した後、立上り際からシートの幅1200mmの位置に起点の墨を出し、順次シートの幅から接合部幅の40mmを引いた1160mm間隔で墨出しをする
4 シートの敷並べ シートの敷並べは、塗布した接着剤の表面が汚れていないことを確認した後、隅に合わせて曲がらないように敷き並べ、シート相互の重ね幅が40mm以上確保されていることを確認する
6 シートへの接着剤の塗布 敷き並べたシートを墨からずらさないように注意して、裏返しに折り返し、くしばけを用いて接着剤を塗布する
この時シート相互の重ね部分(40mm)には接着剤を塗布しない。接着剤が付着すると、溶着及び融着ができないので注意する
7 シートの張り付け シートの裏面に塗布した接着剤のオープンタイムを確認した後、曲がらないように注意して、折り返してあるシートを持ち上げないように、すり合わせるようにゆっくりと広げて下地に張り付け、塩ビシートの幅方向にモップあるいはデッキブラシなどで空気抜きをした後、大ローラーでシート幅方向へよく転圧して接着させる。片側のシートの張り付けが終了した後、反対側のシートも同様にして張り付ける。
8 シートの接合 シート相互の接合には、溶剤溶着と熱溶着の2種類ある。
(1)溶着材による接合
溶着液をたっぷりと含ませた小バケをシート相互の間に差し込み、シートの上から軽く押さえるように手を添えて、ゆっくりと塗布した後、小バケを抜き取りながら、素早く押さえ板を当て2〜3秒間強く押さえて溶着させる。
(2)熱風溶着による接合
熱風溶接機のノズルの先端を、シート相互の接合部に差し込み、シート相互を融(と)かしながら、シートの上からハンドローラーで転圧して融着させる
9 シート相互の3枚重ね部の処理 シート相互が3枚重ねとなる部分は、熱風溶接機を用いて溶融しシートの段差部をつぶす
シートの4枚重ねが出来なように割り付けるよう注意する
10 シート相互の接合端部の液状シール材による処理 シート相互の接合端部は、液状シール材を用いて処理する。
シート相互を接合し、チェック棒をあてて接合端部に、口開きがないことを確認した後。液状シール材を専用の容器に入れて、容器のノズル先端を接合したシートの段差部にあてがってシール材を押し出しながら、盛り上がる程度に充填する
11 立上りシートの張り付け 立上りシート張り付けに先立ち、テープ状シール材を張り付ける
テープ状シール材は、塗布した接着剤のオープンタイムを確認して、アゴ部の場合、水切あごの下から20mm下がった位置に真っ直ぐに張り付けハンドローラーで転圧して張り付ける
笠木タイプの場合、パラペット天端の外側から20mm程度内側の位置に真っ直ぐに張り付けハンドローラーで転圧して張り付ける
次に下地及びシートに塗布した接着剤を確認し、先に張り付けたテープ状シール材の剥離紙を取り除き、張り付けるシートの端部を、テープ状シール材の外側の位置に合わせて曲がらないように、空気の抱き込みやシワができないように張り付け、ハンドローラーでよく転圧して接着させる。
立上りの下部は、入隅部に浮きができないように、ステッチャーで押さえた後、平場のシートに溶着又は融着によって接合する
12 立上り防水層末端部の処理 立上り末端部に口開きがないことを確認した後、プレート状などの押さえ金物で固定(6箇所/2m固定)し、その外側に不定形シールを充填し、ヘラで押さえて仕上げる
13 出隅角及び入隅角の成形役物の施工 平場及び立上りシートの張り付けが終了した後、出隅角部に成形役物の角に合わせて、押さえ付けながら熱風溶接機を用いて浮きができないように融着し、その周囲に液状シールを充填し仕上げる
14 ルーフドレン回りの施工 ルーフドレンのつば及びその周囲1100mm角程度の下地及び1000mm角に裁断したシートの裏面にくしばけを用いて接着剤を塗布する
塗布した接着剤のオープンタイムを確認し1000mm×1000mm程度のシートの中心をルーフドレンの中心に合わせて、空気の抱き込みやシワができないように張り付けた後、ルーフドレンの落ち口部分を切り抜いてルーフドレンの周囲末端部に不定形シール材を充填したあと、ハンドローラー及びステッチャーでよく転圧して接着させる
塩ビシート防水 機械固定工法の施工手順
1 下地の確認後、ケレン清掃
2 固定金具の固定 入隅の固定金具の固定は、固定金具のビス穴に合わせて下地に穿孔し、ナイロンプラグなどで打ち込んだ後、ステンレスビスを締め付けて固定する
※固定金具の継手部分は5mm程度間隔を空けて固定する
※固定金具の継手部には、目地テープを張り付ける
※固定金具を切断した場合は、その切断部分が鋭利な状態で上向きになっている部分がある場合は、ヤスリがけしたり、ハンマーでたたいて潰しておく必要がある
3 ルーフドレン回りの固定金具の固定 ルーフドレンのつばから300mm程度離れた位置に固定金具を置き一つの固定金具に3箇所以上のビス穴空けて、その穴に合わせて下地を穿孔しナイロンプラグなどを打ち込んだ後、ステンレスビスを締め付けて固定する
4 平場シートの固定
(1)墨出し
シートを敷き並べ、入隅の固定金具への接合及びシート相互の接合など終了した後、シートの表面に固定金具の固定位置の墨出しをする
一般的な固定金具(円盤状:ディスク盤)の割り付けは立上り入隅部から300mm以内を起点し、600mm幅の等間隔で固定金具(円盤状:ディスク盤)を
を3列固定する。3列目以降は千鳥(上下左右へ交互にずらしながら)で固定金具を固定する
(2)固定金具によるシートの固定
シートの固定金具(円盤状:ディスク盤)による固定は、墨出し位置に電動ドリルのキリ先を合わせ、シートの上から垂直に穿孔した後、穿孔内部の切粉を取り除き、固定金具(円盤状:ディスク盤)の穴に合わせてアンカーを打ち込み、ステンレスビスで固定する
5 平場の固定金具(ディスク)の固定工法 平場シートの固定方法には、次の3種類の固定方法がある
シートを敷き並べた上から固定金具(円盤状:ディスク盤)を固定し、その上からディスクパッチを増張りする方法
固定金具(円盤状:ディスク盤)を固定した上にシートを敷き並べて電磁誘導加熱又は溶着液によって固定金具にシートを融着する方法
シート相互を接合する位置にプレート状の固定金具を固定してシートを張り付ける方法がある
6 シートの敷き並べと敷き並べは相互の接合及び固定金具との接合 シートの敷き並べは先に出した墨に合わせて曲がらないように敷き並べ、シート相互の重ね幅(40mm)及び入隅の固定金具との接合幅(40mm)が確保されていることを確認して、入隅の固定金具及びシート相互を溶着液によって接合する
7 シートの接合 シート相互の接合には、溶剤溶着と熱溶着の2種類ある
(1)溶着材による接合
溶着液をたっぷりと含ませた小バケをシート相互の間に差し込み、シートの上から軽く押さえるように手を添えて、ゆっくりと塗布した後、小バケを抜き取りながら、素早く押さえ板を当て2〜3秒間強く押さえて溶着させる。
(2)熱風溶着による接合
熱風溶接機のノズルの先端を、シート相互の接合部に差し込み、シート相互を融(と)かしながら、シートの上からハンドローラーで転圧して融着させる。
8 シート相互の3枚重ね部の処理 シート相互が3枚重ねとなる部分は、熱風溶接機を用いて溶融しシートの段差部をつぶす
シートの4枚重ねが出来なように割り付けるよう注意する
9 シート相互の接合端部の液状シール材による処理 シート相互の接合端部は、液状シール材を用いて処理する。
シート相互を接合し、チェック棒をあてて接合端部に、口開きがないことを確認した後。液状シール材を専用の容器に入れて、容器のノズル先端を接合したシートの段差部にあてがってシール材を押し出しながら、盛り上がる程度に充填する
10 立上りシートの張り付け
立上りへのシート張り付けは方法としては、接着工法と機械固定工法がある